母性看護の視点から見るAYA世代がん患者のケア【学びLabo】|一般社団法人日本終末期ケア協会

母性看護の視点から見るAYA世代がん患者のケア【学びLabo】

2024.4.12 イベント

目次

2024年1月25日、学びLabo「婦人科疾患のケア ~母性看護専門看護師の視点から~ 」を開催しました。

当協会初となる、婦人科領域をテーマとしたセミナーでした。

講師

母性看護専門看護師

出本 明 先生

働き世代である青年期~壮年期の健康問題が注目される中、若くして生殖機能や生命を脅かされる可能性のある若年のがん患者への医療はまだまだ発展途上です。

今回は、がん宣告から終末期までの軌跡を辿り母性看護の視点からみたAYA世代がん患者のケアについて講義していただきました。

AYA世代のがん患者の特徴

前半の講義では

母性看護とは

AYA世代がん患者の特徴とニーズ

について講義していただきました。

AYA世代の成長発達過程である、思春期・成人初期のがん患者の特徴と、その多岐にわたるニーズについて学びました。
特に女性特有の疾患を抱える方は、妊孕性、妊娠出産、夫婦関係、早発閉経など、人には聞きにくいと感じる悩みを、多く抱えています。
そのような悩みに対して、医療者は包み隠さず言葉にして話し合うことが必要です。

またAYA世代がん患者は、サバイバーシップが長期にわたり、ライフステージへの影響が大きいため、個別性に応じた重点的なケアを行うことが重要であるなど、多くの学びがありました。

AYA世代のがん患者のケア

後半の講義では、症例を参考に、AYA世代の女性がん患者のケアについて講義していただきました。

妻として」「母として」の役割遂行への思いは、家族の問題でもあります。
そのため患者本人だけではなく、配偶者や子供、患者の親へのケアも必要です。

また、病気について子供に伝えることはとても繊細な問題で、どのように伝えるべきか、家族にとって難しい課題です。
症例を通して、臨床の場面を想像しながらどのようなケアが必要なのかを考えることができました。

講義を振り返って

今回、AYA世代の女性のがん宣告から終末期までを通し、母性看護の視点から、女性特有の疾患を持つ患者へのケアについてご講義いただきました。

講義後には、妊孕性やパートナーとの夫婦生活、子供への告知のポイントの「3つのC」など、多くの看護師が現場で知る機会が少ないAYA世代がん患者のニーズの奥深さやケアの難しさについて話し合いました。
治療しない選択、遺族ケアの難しさなど受講生の皆さんと共に考え、さらに学びが深まりました。

また、出本先生には受講生の皆さんからの多くの質問にお答えいただき、AYA世代がん患者にとってどのようなケアが大切なのか知見を広げることができました。
今回の学びによって、受講生の皆さんのケアがより一層、患者さんやご家族の幸せに貢献できるものになる。
そんな実りのある充実した時間となりました。

参加した皆さまの感想

Aさん

遺される子供のケアが何処でしっかり出来るのか?
その場所の必要性を強く、感じました。

Bさん

一人の女性ですが、母親はやはり、死ぬまで母親であり続けるのだなあと感じました。
たぶん自分も何気にそうしているんだと思いました。

Cさん

AYA世代の患者さんになかなか関われない中で、今回の講義は貴重なものとなりました。

 

【終末期ケア専門士】について

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時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。

 

「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。

エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。

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