アメリカの緩和ケアをのぞき見!~チームワークをよくする31のアプローチ~ JTCAセミナーを開催しました!
- 目次
2022年9月28日
日本終末期ケア協会は
終末期ケア専門士約200名を対象に
Zoomを使用したオンライン上で
JTCAセミナーを開催しました。
講師としてお招きしたのは
米国ダートマス大学
血液/腫瘍内科 白井敬祐先生!
テーマは
~チームワークをよくする31のアプローチ~
です。
Are we on the same page?
∼チーム医療をもっとよくする31のアプローチ∼
を基にチーム医療についての
講義をしていただきました!
講義の一部を簡単にまとめてご紹介いたします!
EngageとEmpowerってなに?
Engageは相手に関心を持つという意味で、
Empowerは相手に力を与えるという意味があります。
当たり前のことなのですが、
相手にEngageする(関心を持つ)ことで
初めて相手を
Empowerする(力を与える)ことができます。
また、逆も同じで
相手に関心を持ってもらうと
自分も力を貰うことができます。
患者さんやご家族に関心を持つことは
大切ですが、逆に関心を持ってもらうことも
自分にとって大切なことが分かりました。
ここで
「Engage(相手に関心を持つ)」
「Empower(勇気づける)」
の視点で、
終末期ケア専門士の皆さんが
普段行っている工夫をご紹介します。
▪視線の高さを利用者様に合わせる
▪「頑張って」ではなく、「頑張ってますね」「頑張りましたね」と言うようにしている
▪仕事に入る前に、スタッフの皆に飲み物等提供して雑談をしたり,ひとりひとつ何かしらあった事を話をしてから仕事につく
▪自分の心の状態を毎日チェックして、自分を整えることで相手に関心を持つよう心がけています。
皆さんはどのような工夫をしていますか?
無駄話も大事?
日本ではあまり良い印象はありませんが
アメリカでは無駄話は当たり前で、
回診の前に
「週末バーベキューをした」や
「家の改装工事をした」など、
いろいろな話をします。
このような話をしていると
「看護師の○○さん」ではなくて
「○○さんは実は看護師なんだよ」
という関係で付き合うことができます。
さらに、相手のちがいにも
気づくことができ
ちがいに関心を持つ(Respect)
ことができます。
最近仕事の話しかしてないなぁ。
という人がいたら無駄話をしてみる。
などちょっと違う角度から
コミュニケーションを取ってみることも
大切なのですね。
質疑応答
講義終了後には、
質疑応答の時間を設けています。
終末期ケア専門士の皆さんと
様々な意見を共有できました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
受講後のアンケートでは、
▪人間関係や仕事についても悩んでいるので、元気をもらいました。参加して良かったです。
▪関心を持ち観察すること、自分自身を見直す、振り返る事ことの大切さを感じました。また、チームメンバーや周りの方に助けを求めること、吐き出せる方を見つける事ことも必要だと思い、少し気持ちが楽になりました。
▪コミュニケーションや思いの伝え方・バッドニュースの伝え方などの難しさを日々、感じています。先生の講義を聞き、相手を観察し、相手に合わせた対応をすることが必要であると再認識した。また、自分の行動を振り返る機会となりました。
▪育った環境や外国での教育や思想、宗教感など、日本人の考え方との違いなどがあるとは思います。しかし、根本的な人としての感情は同じかもしれません。今回、講義を聞き自分が考えていたことと同じような話を聞けて、背中を押されたようで嬉しかったです。
といった感想をいただきました。
日本終末期ケア協会では、
講義形式はもちろんのこと、参加した人が
自分の思いや悩みを話すことで、
明日へのヒントを得られるような
イベントを開催しています。
今後もさまざまな角度や方法から
学びの体験を作っていきたいと思います。
終末期ケア専門士の皆様の
ご参加をお待ちしております。
【終末期ケア専門士】について
終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。