「終末期における褥瘡とどう向き合うか」【学びLabo】

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2025年10月3日、学びLabo「終末期における褥瘡とどう向き合うか」を開催しました。

講師
医療法人社団 博栄会 赤羽中央総合病院
皮膚・排泄ケア認定看護師 高橋 麻由美 先生
講義では皮膚・排泄ケア認定看護師である先生に、終末期にフォーカスした褥瘡との向き合い方についてお伝えしていただきました。 褥瘡の概論や事例を通してケアの方法や予防、その人らしい最期を支えるための視点など多くのことを学ぶことができたセミナーとなりました。
前半の講義では

・終末期に発生する褥瘡や皮膚変化に関する概念
・終末期の褥瘡では「治癒」よりも「苦痛緩和と尊厳」を重視
・予後予測を行い褥瘡予防につなげる
について講義していただきました。
後半の講義では

・エンドオブライフの分類ごとの褥瘡治療、ケア
・事例に基づいた実際のケア方法
・終末期の褥瘡ケアの本質
について講義していただきました。
講義を振り返って
今日のキーワードは「だれもが褥瘡ケアを実践できる組織をつくる」です。1人でも適切なケアができていないと褥瘡は発生してしまいます。先生は自身の経験からそのことを体験されており、スタッフの誰もが褥瘡予防の技術向上ができるように取り組まれたそうです。その結果、褥瘡の発生が減少しているとのことでした。皆がスタンダードケアとして知識と技術を身に付けて実践していくことの重要性を改めて感じました。また事例を通じて、多職種で連携しケアに取り組むことがとても重要であることがより伝わる講義となりました。
受講生の皆さまの感想
Aさん
予防していても終末期にできてしまう皮膚の変化。家族には状態の変化と共に皮膚についても予想される事は事前に説明はしますが、やはり悪化しないで欲しい最小限にくいとめたいという思いは強かったので今回の講習で気持ちが少し軽くなりました。避けてはとおれない状況の中、ご本人にとっての最善をこれからも考えたいと思います。
Bさん
終末期の褥瘡ケアについて治癒よりも感染管理や疼痛管理を重視する考え方に少し見方を変えて対応を変えてみようと思いました。患者さんの処置中の痛みが怒りとして露わに出ている姿をみていつも葛藤しておりましたので、とても勉強になりました。私をはじめ他スタッフも褥瘡に対する知識がまだまだ不足している中でのケアの実践ではありますが本日の学びをスタッフと共有し、患者さんにプラスの反映ができるよう日々頑張っていきたいと思います。
Cさん
褥瘡に悩んでいてこの講義に参加しました。とても、勉強になりました。ベッドを入れるタイミングや褥瘡が治らない時期の家族への説明も分かりやすかったです。
【終末期ケア専門士】について
終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。