「長野原町」専門医 金子先生が語る! へき地医療における「やりがい」とは【学びLabo】|一般社団法人日本終末期ケア協会

「長野原町」専門医 金子先生が語る! へき地医療における「やりがい」とは【学びLabo】

2025.1.28 イベント

目次

2024年9月24日、「学びLabo「長野原町」専門医 金子先生が語る! へき地医療における「やりがい」とは 」を開催しました。

へき地医療と聞くとどのようなイメージがあるでしょうか。

今回、へき地診療所の役割や、在宅看取りを整えるまで、在宅医療や終末期ケアで大切にされていること、どのように地域と連携をとってきているのかについてうかがいました。金子先生よりお話を聞かせていただくことにより、へき地医療のやりがいや魅力について知る機会となりました。

講師

長野原町へき地診療所 所長
金子 稔 先生

忘れてはいけないへき地医療の役割

今回のセミナーでは、以下について講義していただきました。

・医療とは
・プライマリケアとは
・かかりつけ医とは
・在宅での看取りについて思うこと

「へき地」と聞くと、人口が少ないイメージを持つかもしれませんが、決してそうではありません。人口の多いへき地も存在し、あらゆるへき地で医療資源が不足している現状は続いています

金子先生は、医療は生きていく上で必要不可欠なものなのか、と問いながら医療と向き合っておられます。コロナ禍において提供できる医療が限られ、これまで行ってきた医療は正しかったのかという疑問を持たれた方はいるのではないでしょうか。金子先生は、医療は必要なものではなく、人生をよりよくするものであるという考えに重きを置いて医療を提供していると話をされました。

へき地診療所は、小児から高齢者まで、急性期疾患から慢性期疾患までと、幅広く対応する総合診療所としての重要な役割があります。

医療資源の少ないへき地でのかかりつけ医は、医療機関の入り口として地元の方を包括的に治療する場合もあれば、はじめましての患者さんにどこまでの医療を提供するのかを考える場合もあります。へき地医療の果たす役目は大きいと感じました。

在宅での看取りついて金子先生が大切にしていることが4つあります。

②患者さんの思いを聞く ―まずは患者さんの思いを聞くことから始めること

③症状を緩和する ―症状緩和は薬だけではなく、在宅の雰囲気も大切なこと

④向き合う —何かしなければならないと考えるのではなく、そこにいること

へき地では在宅看取りが多いとイメージされる方も多いのではないでしょうか。しかし、へき地での在宅看取りは、環境が整わないことや人員が不足しているなどから難しいのが現状です。そのため、在宅で看取りをすることが目的ではなく、自宅での最期を選択できることこそが大切であるということを教えていただきました。

講義を振り返って

へき地医療の課題は多く、その存在自体もなかなか知られる機会は少ないように感じます。金子先生は、地元の高校生や高齢者の方々にへき地医療の活動を広報し、メディアや取材による情報発信も率先して行われています。取り残されないよう誰かがへき地医療と向き合い整備していかなくてはならない課題がある、金子先生のへき地医療における「やりがい」を感じたセミナーとなりました。

参加した皆さまの感想

Aさん

・へき地医療は、先生が先駆けとなり、色んなやり方などを発信することでやる気のある人が増えて、色んなやり方で医療難民を救える時代が来れば良いなと思いました。

Bさん

・改めて利用者様、ご家族の思いを傾聴し、向き合い、最善のケアを提供できるよう支援していきたいと思いました。

Cさん

・地域の医療のために一生懸命に取り組まれている先生のお話を伺い、こんな先生が地域にいてくれるからこそ、患者さんも安心してすみ慣れた場所で過ごすことができるだろうと思いました。

 

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