医療現場でのレジリエンスを高めるチーム作り〜成功のための5つのステップ〜【JTCAセミナー】|一般社団法人日本終末期ケア協会

医療現場でのレジリエンスを高めるチーム作り〜成功のための5つのステップ〜【JTCAセミナー】

2024.7.16 イベント

目次

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2024年5月10日、JTCAセミナー「医療現場でのレジリエンスを高めるチーム作り〜成功のための5つのステップ〜」を開催しました。

今回は「レジリエンス」について海外での事例を中心に紐解いていきます。

レジリエンスとは、困難や逆境に対処し回復する能力を指します。医療従事者にとって、レジリエンスは精神的・身体的な健康を維持し、高品質なケアを提供するために不可欠です。
白井先生の以前のご講義である「~チームワークをよくする31のアプローチ~」のエッセンスも交えながら講義していただきました。

講師

米国ダートマス大学

血液/腫瘍内科

教授 白井 敬祐先生

Engage(エンゲージ)とEmpower(エンパワー)の相互性が鍵

以下について講義していただきました。

EngageとEmpowerの相互性

患者やチームメンバーと積極的に関わり合い、互いに力を引き出し合うことに重要性があります。

失敗してもいい・修正してもいいと思うマインド

医療現場での柔軟な思考と「失敗をしてもいい」という姿勢が心理的安全性を作り、レジリエンスを高める鍵となります。

心理的安全性の作り方

チーム内で安心して意見を出し合える環境を整えることが、レジリエンスを高めるための基本です。心理的安全性が確保されることで、メンバー間の信頼が深まります。

価値観の違いを認める

多様な価値観を尊重し、それぞれの意見を大切にすることが、チームとしてBurnoutを減らす方法の1つです。

Burnoutの防ぎ方

自己管理とチームサポートのバランスが大切です。個人の責任ではなく、チームで支える・チーム全体での支援が不可欠となります。

Burnoutを防ぐ方法として、次の点が挙げられました。

①自分の中のリセットボタンを用意すること
コーピング方法を知ることや、もやもやを吐き出すことが大切です。

②相手に気持ちを伝えること
自分の感情を共有し、相互理解を深めることで、支え合いの関係が築けます。

講義を振り返って

講義では白井先生は患者さんや家族、医療チームの中でEngageし、相手からEmpowerされるという相互関係の重要性を強調されました。自分の能力や限界を知り、無理をせず仲間にSOSのサインを出したり、相談したりできる環境が必要です。やり直しはできるというマインドでいることが、Burnoutを防ぐ方法なのかもしれません。

救急やクリティカルな領域では、日本だけでなくアメリカでもBurnoutが多発しています。
また、がん治療の現場でも死に直面する場面が多いため、チームとしてのレジリエンスを高める必要があります。

医療現場でのレジリエンスを高めるために、今回のJTCAセミナーをご活用ください。医療従事者としてのレジリエンスが向上することにより、患者の満足度と治療効果が上昇し、自身のストレスも軽減されます。

皆さんも、これらのポイントを取り入れて、レジリエンスの高いチーム作りを目指しましょう。

参加した皆さまの感想

Aさん

チーム力を高めるためのポイントが分かりやすくてよかったです。
管理職で、人間関係に悩むことが多いですが、今日の学びを活かせられたらと思います。ありがとうございました。

Bさん

とても分かりやすく飽きのこない講義でした。バーンアウトしないように日頃から息抜きはしていますが「自分だけかもしれないな」とも思っています。チームのみんなの気持ちを聴いたりもっと話していきたいと思います。本日は有難うございました。

Cさん

自分だけのレジリエンスを高めるだけでなく、チームのレジリエンスをあげるポイントが学べて良かったです。お忙しい中、ご講義ありがとうございました。

 

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