医療コミュニケーションについてセミナーを開催しました!part2
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2023年10月20日
【JTCAセミナー】米国緩和ケア医が教える医療コミュニケーションの極意 パート2 ~価値観を探る対話スキルを学ぶ~を開催いたしました。
講師
マウント・サイナイ医科大学 老年:緩和医療科
アシスタント・プロフェッサー
植村 健司先生
今回のJTCAセミナーでは「価値観に基づいた共同意思決定:Shared Decision Making(SDM)」について学びました。
「講義では価値観を探ることの大切さ、そのスキル」について教えていただきました。
わかりやすく楽しいロールプレイもあり、充実したセミナーとなりました。
セミナーの様子をご紹介!
▶講義は
・ICとSDMの違い
・ICに必要な3要素
・重症疾患や終末期にはICの3要素が機能せず役に立たないことがある
・注目され始めている、共同意思決定:Shared Decision Making(SDM)について
・REMAPの手法を用いたSDMの3つのステップ
・価値観を探ることの大切さ
・そしてそのスキルを身に着けるためのポイントの流れ
でお話ししていただきました。
▶ロールプレイでは、
医療の現場での難しい意思決定の場面を「レストランでのワイン選び」という身近な場面に置き換えてわかりやすくひも解いてくださいました。
▶講義と講義の振り返りでは、
・患者の価値観と医療者の知識をすり合わせて、共にベストな選択を行う。その過程がSDMの考えであること
・価値観を知るために、まずは人として患者に興味を持ち、あなたをもっと知りたいと思うこと。
・共感を示すことで信頼関係を築き、そのうえで「大切なものは何か?」「望みは何か?」「気がかりは何か?」患者の価値観を探ること
そして何より、「提案するプランが患者の価値観に基づいていることの大切さ」を学びました。
▶講義後、先生のお話の中で、コミュニケーションは「話すこと」より実は「聴くこと」のほうが重要なのだと改めて気づきました
コミュニケーションの場面では、自分の伝えたいことを「話すこと」に気を取られがちなのですが、相手に興味を持ち
・どんなストーリーがあるのか
・何を望み何を大切にしたいのか
を「聴くこと」がコミュニケーションスキルの要なのだと実感しました。
おわりに
コミュニケーションスキルを身に着けるポイントとして
「スキルの向上には時間がかかるもの。今できなくても全然いい。スキルを向上させたいと思う気持ちは素晴らしいこと、めげずに自分に優しく少しずつマスターしていけばいい。」
と、コメントをいただきました。
先生のコメントを聞き、コツコツと気長に進めばいいんだと気持ちが楽になりました。
▼part1のセミナー振り返り記事は下記リンクから
【JTCAセミナー】米国緩和ケア医が教える 医療コミュニケーションの極意 その1 〜辛い知らせを伝え、感情に対応する〜
【終末期ケア専門士】について
終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。