【JTCAセミナー】神経難病の軌跡と支援∼支援する人に伝えたいこと∼|一般社団法人日本終末期ケア協会

【JTCAセミナー】神経難病の軌跡と支援∼支援する人に伝えたいこと∼

2022.12.12 イベント

目次

2022年10月26日

日本終末期ケア協会は、
終末期ケア専門士約200名を
対象にZoomを使用した
”JTCAオンラインセミナー”
を開催しました。

講師としてお招きしたのは
独立行政法人国立病院機構
下志津病院神経内科
三方 崇嗣先生!

テーマは、
神経難病の軌跡と支援
∼支援する人に伝えたいこと∼

です。

講義の一部を簡単に
まとめてご紹介いたします!

パーキンソン病の症状

パーキンソン病では、中脳の
黒質にある神経細胞が減少し
ドーパミンが足りなくなります。

ドーパミンは神経伝達物質なので
不足すると、運動が鈍くなったり
気分が落ちてきて
うつのような症状が表れます。

具体的な症状で有名なのが

  • 振戦
  • 寡動、無動
  • 筋強剛(rigidity)
  • 姿勢反射障害

これら4つの症状であり、4兆候と呼ばれます。

その他にも

  • 自律神経症状(便秘や起立性低血圧、多汗など)
  • 精神症状(抑うつ傾向や睡眠障害、病的賭博など)
  • 認知症状(以前は少ないと言われていたが、最近は約70%は合併するという報告もある)
  • 痛み(機序が不明なものが多い)

などさまざまな症状が表れることを覚えておきましょう。

パーキンソン病の看護におけるポイント2選!

パーキンソン病の看護における
2つのポイントをご紹介します。

1つ目は、
「急な服薬中止をしてはいけない」
ことです。

急に服薬をやめると高熱を出て、
体が動かなくなる
悪性症候群を起こすことがあるためです。

服薬をやめるときは、
患者さんの様子を見ながら
ゆっくりと量を減らしていくことが大切ですね。

2つ目は、
「患者さんの不安感を和らげてあげる」
ことです。

パーキンソン病の患者さんには
先ほどの症状でもご紹介したように,
うつ傾向な人が多いです。

例えば、ネットなどの病気に関する
間違った情報で不安が大きくなり、
病状を悪化させてしまうことが多くあるのです。

そのような場合には
正しい情報を患者さんに教え、
不安感を和らげることが大切ですね。

質疑応答

講義終了後には、質疑応答の時間を設けています。

終末期ケア専門士の皆さんと
様々な意見を共有できました。

「神経内科の医者とのコミュニケーションで悩んでいます。疑問や意見を素直に伝えてもいいのですか?」

という質問対して、

「医者は患者さんの一瞬しか見てないので、医者では気づかないことを皆さんは知っています。なので気づいたことはどんどん言ってほしいです。」

といった回答を頂きました。

おわりに

いかがだったでしょうか。

受講後のアンケートでは、

  • ALSの方との直接的な関わりはまだないのですが、メディア等の情報を通し、ご本人様とご家族様の葛藤など…様々な場面で、命の選択肢を医療者の方々と考えておられる事を、より身近に感じた時間となりました。

  • 治療法のない難しい病気ですが、経過や薬のことなど大変分かりやすく学ばせていただきました。知っているつもりが知らなかったことがたくさんありました。

  • 患者様やご家族様ご自身の考え方、お薬に対する持論もありますが、否定せずまずは気持ちに寄り添ってお話を聞いてから次のステップに進むことを大切にしたいと思いました。

といった感想をいただきました。

日本終末期ケア協会では、
講義形式はもちろんのこと
参加した人が自分の思いや悩みを話すことで
明日へのヒントを得られるような
イベントを開催しています。

今後もさまざまな角度や方法から
学びの体験を作っていきたいと思います。

終末期ケア専門士の皆様のご参加をお待ちしております。

 

【終末期ケア専門士】について

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「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。

エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。

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