看護師を含む医療職が関われる呼吸リハビリとは?多職種で考える基本的な視点
- 目次
はじめに
本記事は、
日本終末期ケア協会が主催するオンラインセミナー学びLaboで寄せられた質問に対し、
後日、
理学療法士・秋保光利先生よりいただいた回答を、内容を変更せず、そのまま掲載しています。
呼吸リハビリテーションや呼吸ケアについて、
日々の臨床のなかで感じやすい疑問や迷いに対する考え方を、
質疑応答の形で共有することを目的とした連載の第1回です。
今回の回答について
本記事は、セミナーに寄せられた質問に対し、
理学療法士・秋保光利先生が、後日あらためて回答してくださった内容をもとに構成しています。
質問は特定の場面を想定したものでしたが、その回答は、
急性期・慢性期・終末期などを問わず、
臨床の現場で共通して考えるべき視点として示されています。
ご注意
本記事で紹介する内容は、考え方や視点の共有を目的としたものです。
実際の対応にあたっては、患者さんの状態や医師の指示、所属施設・地域のルールを踏まえて判断してください。
質問①
セラピストでない職種(看護師)でも行える呼吸リハビリテーションがあれば教えてください。
(在宅の場面での実施)
回答
呼吸リハビリは理学療法士だけでなく、多職種が連携して行うことが重要です。
特に在宅では看護師の果たす役割が大きいと考えます。
以下のようなアプローチが比較的安全 に行えます。
呼吸筋ストレッチ 【多動的な方法】(エビデンスはありませんが)
体幹の回旋運動(背臥位で膝を立て、膝を左右に倒す):胸郭の可動性を促進します。
肩甲帯の可動域訓練(肩すくめ、肩回しなど):上部胸郭の柔軟性向上。
シルベスター法(両手を組ませて上肢の挙上下制つまり万歳運動):胸郭全体の可動性 を促します。
口すぼめ呼吸の指導(呼吸の自己コントロールの習得)
口すぼめは一般的にPEEP効果があると言われています。
ただ本当にその効果があるか どうか、はっきりとした根拠は示されていません。
全くないとも言えないと思います。
口すぼめ呼吸には様々な効果があると考えられます。
そのなかでも、今回のテーマに即した効果としては、
呼気時間を延長することで呼吸の自己コントロールが可能になると考えられます。
これは情動への作用や動作後の呼吸促迫時の呼吸困難軽減に寄与する可 能性があります。
排痰を促す体位調整や呼吸練習(ACBTもしくはハフィング)
呼吸困難および体位変換時にSpO2の大幅な低下(SpO2 90%未満)がない範囲で、
側臥位やHead upや腹臥位(半腹臥位:シムズ位)や座位を工夫することで排痰を促します。
質問②
訪問でメカの使用は厳しい現状です。
冷水で含嗽や、「オー」と口を窄めて発声するなども有効でしょうか。
回答
有効性について
冷水での含嗽(うがい):
咽頭部に冷刺激を与えることで、一時的に嚥下反射や咳嗽反射を誘発する可能性があります。
明確なエビデンスは少ないですが、臨床現場では試されている方法なのでしょうか。
誤嚥リスクがある場合は慎重に行うことをお薦めします。
「オー」と発声する方法:
私の勉強不足でこの方法に関しては存じ上げませんが、
詩吟をすることが呼吸筋に良い影響を与えるということを聞いたことがあります。
また呼吸のコントロールにも良いか もしれません。
おわりに
本連載では、セミナーで実際に寄せられた質問と、
それに対する回答を、解釈や要約を加えず、そのままの形で順次掲載していきます。
次回も、臨床の現場で多くの医療職が直面する問いを取り上げる予定です。
本記事は、セミナーにおいて寄せられた質問に対し、
理学療法士・秋保光利先生が後日あらためて回答してくださった内容を、内容を変更せず掲載しています。
【終末期ケア専門士】について

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