終末期で痰が絡み、出せないときの対応とは?ベッド上でできるケアの考え方|一般社団法人日本終末期ケア協会

終末期で痰が絡み、出せないときの対応とは?ベッド上でできるケアの考え方

2026.1.23 JTCAゼミ

目次

はじめに

本記事は、日本終末期ケア協会主催のオンラインセミナー「学びLabo」で寄せられた質問に対し、
後日、理学療法士・秋保光利先生よりいただいた回答を、
内容を変更せず、そのまま掲載しています。
終末期の患者さんに関わるなかで、

「痰が絡んでいるが、うまく出せない」

「どう関わるのがよいのか分からない」

と悩む場面は少なくありません。
本連載では、そうした現場の問いに対する回答を、質疑応答の形で共有しています。

今回の回答について

本記事は、セミナーに寄せられた質問に対し、
理学療法士・秋保光利先生が、後日あらためて回答してくださった内容をもとに構成しています。

質問は特定の場面を想定したものでしたが、
その回答は、急性期・慢性期・終末期などを問わず、
臨床の現場で共通して考えるべき視点として示されています。

ご注意

本記事で紹介する内容は、考え方や視点の共有を目的としたものです。
実際の対応にあたっては、
患者さんの状態や医師の指示、所属施設・地域のルールを踏まえて判断してください。

質問①

終末期でベッド上での生活が増えた時、
咽頭の痰の絡みを喀出しきれない方へのアプローチ方法があれば教えてください。

回答

終末期の方で咽頭部に痰がたまり、喀出できない場合、以下のような支援が考えられます。

 機器の使用 MI-E(Cough Assist など)

有効ですが、導入には医師の指示が必要です。
特に以下の機能が残存していると効果が出にくい時があります。

患者さんの意識がクリアな場合or 機器に抵抗しようとする&声帯の機能が残存している

咳嗽介助

十分な指示理解と呼吸筋力がある場合は、タイミングを合わせた咳介助が有効です。
特に以下の機能が残存していると効果が出やすいです。

患者さんがこちらの指示に十分反応できる&必要なだけ呼吸筋力がある&声帯の機能が残存している

他のアプローチ

体位変換:重力を利用して痰を動かす。

半腹臥位では咽頭部の痰の移動に効果があるかもしれません。

口腔内の分泌物の垂れ込み:口腔内の持続吸引が効果があるかもしれません。

質問②

在宅で訪問看護をしています。
終末期で痰切れが悪く内服が厳しい状態でベネトリン吸入等導入することが多いですが、
冷水を少量飲んだり体位変換する他、ご家族さんへ指導できる内容はありますでしょうか?

回答

上記の情報から推察で話しをします。
誤嚥による誤嚥物の喀出困難もあることを前提に話します。

ご家族にできること(安全かつ実行可能な内容)

口腔内の分泌物を口腔外に出すための姿勢保持

半腹臥位で口が開いていれば唾液が口腔外に出ることがあります。
これを狙って姿勢を取っても良いかと思います。

過剰な加湿をしない

過剰な気道の加湿はむしろ分泌物を増やしてしまう可能性もあります。
これは医療者が評価をし、指導することが望ましいでしょう。

吸引タイミングの相談

口腔内の持続吸引も視野に入れて、無理な吸引よりも、医療職と相談しながら最小限で行う。

おわりに

終末期における痰の問題は、
「取り除くこと」だけで解決できるものではなく、
患者さんの状態や意向、
関わる人の役割を含めて考える必要があります。
本連載では、
こうした判断の難しい場面に対する考え方を、
質疑応答の形で今後も共有していきます。

本記事は、セミナーにおいて寄せられた質問に対し、
理学療法士・秋保光利先生が後日あらためて回答してくださった内容を、
内容を変更せず掲載しています。

第7回
終末期ケア専門士認定試験

受験申込期間

2026年3月27日~9月20日

試験実施日

2026年10月9日~10月31日

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【終末期ケア専門士】について

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