緩和ケアにおける神経ブロックの意義とは~神経ブロックがもたらす効果と適応~②
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神経ブロック前後のケア
疼痛コントロール方法の一つである神経ブロックですが、十分に前後のケアを行い、副作用について理解しておく必要があります。
神経ブロック前後のケア
処置の前には、患者さんが処置内容をイメージでき、不安を最小限にするためのオリエンテーションが重要となります。
安全・安楽に処置が受けられるように確認・情報共有しておく内容
・処置内容
・薬剤投与管理方法
・合併症
・副作用出現時の対処方法
・安静度
処置前後のケア

服薬管理
処置前は、併存の治療との兼ね合いも確認しましょう。
例えば、化学療法を行っている場合、一時的な血小板減少による易感染状態や出血リスクを考慮する必要があります。
処置後は、疼痛の軽減に伴い相対的にオピオイド鎮痛薬が過量となり、傾眠になる可能性があります。疼痛が軽減した場合には、オピオイド鎮痛薬を減薬することがありますが、一気に減薬すると、退薬症状(離脱症状)出現の可能性もあります。ベース量を減らすのか、レスキューの量を減らすのかなど、症状や対処方法について事前に医療者間で共有しておきましょう。
神経ブロックの禁忌と副作用
神経ブロックの禁忌
1. 施行部位、針刺入経路の感染がある、易感染状態の患者
2.出血・凝固機能障害、抗血栓療法薬の内服をしている
3.本人に了解が得られない場合
(ブロック中の体位の保持には本人の協力が必要なため)
4.穿刺経路に腫瘍がある
(腫瘍を穿刺すると出血のリスクが高まるため)
5.消化管通過障害がある、下痢・軟便がある
(内臓神経ブロックにより症状の増悪の可能性があるため)
6.極端な脱水・低栄養や低血圧である
7.アルコール不耐症である
(エタノールを用いた神経ブロックには特別な配慮が必要である)
神経ブロックによる副作用
1.注射の痛み
2.出血
3.アレルギー
4.対象以外の神経を傷つけてしまうことによる運動障害や神経障害
5.刺入部、その周囲の感染
6.血圧低下
どんな治療でも効果とともに副作用があります。また、治療のイメージが付きにくいと戸惑うのは当然のことです。効果とリスクを実例を踏まえて説明した上で、神経ブロックを行うことでの生活への影響や変化について、具体的に想像できるよう患者さんと十分に話し合うことで、安心感にも繋がるでしょう。
参考文献
1.青海社.緩和ケア「生活を支えるための神経ブロック」Vol.35 No.3 2025.5 p.167
3.緩和ケアセンター|山口大学医学部附属病院 麻酔科 – 難治性がん性疼痛に対する神経ブロックについて.
5.がんの痛みを取り除く神経ブロック療法 | がんサポート 株式会社QLife.
6.神経ブロック注射の効果・回数・副作用Q&A [痛み・疼痛] All About.
7.がん診療ガイドライン│がん疼痛薬物療法│WHO方式がん疼痛治療法.
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