終末期がん患者に出現する症状

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終末期がん患者に出現する症状

JTCAゼミ

 緩和ケアは、歴史的にはがん患者に焦点をあてて発展してきました。本来、緩和ケアは疾患、病期、場所を問わず、すべての患者に必要とされるものです。近年、心不全、呼吸不全、神経難病などの非がん患者への緩和ケアの必要栄が認識されるようになり、日本でもその取り組みがはじまっています。



*がん患者の特徴

 がん患者は、亡くなる2~3ヵ月前まで日常生活を大きな支障なく送ることが多いです。しかし、亡くなる約1ヵ月前になると、食欲不振、倦怠感、呼吸困難感などの症状が出現し次第に増強します。

 Lynnは、終末期の疾患の軌跡を、①がんなどの進行性疾患のモデル、②心不全、COPDなどの臓器不全モデル、③認知症・老衰モデル、の3つに分類しました。

がんは進行しても全身状態は保たれますが、死亡前の約1ヵ月で急速に全身状態が低下することが特徴です。がんの部位や組織が違っても、症状や臨床経過において、一定の共通性や規則性が認められ、終末期になるほど顕在化するという特徴をもちます。



*身体症状の出現からの生存期間

 生存期間が1ヵ月以上の場合、痛みの出現頻度がもっとも高く、生存期間が1ヵ月頃から倦怠感、食欲不振、便秘、不眠などが増加する傾向がありました。生存期間が2週間頃よりせん妄が増加しはじめ、死亡数日前より不穏や死前喘鳴(咽頭や喉頭部に唾液や気道からの分泌物が貯留し、呼吸の際にゴロゴロと音がすること)がみられるようになります。

 死が近づくほど、一人の患者により多くの症状が現れ、またそれぞれの症状はより緩和困難となってきます。

 このように、がんの終末期に現れる症状の出現頻度と出現時期には一定の傾向がみられ、最後の1ヵ月はとくに重点的な症状の緩和が必要となります。



*最後に

終末期の患者を介護する家族は、最後の1ヵ月で「急に悪くなってきた」、「いつもの本人ではないようだ」と驚いたり、混乱したりすることがある。終末期ケア専門士を志す者として、『経過を理解し言語化して伝える』ことができれば、今後、患者や家族のケアにつなげることができるだろう。