【第2回】“終末期ケア専門士はつながりと学びに出会える場”——もっと寄り添える専門家へ
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皆さんこんにちは、終末期ケア協会事務局です。
終末期ケア専門士の試験は、本年度で第6回目を迎えました。
全国の終末期ケア専門士・終末期ケア上級専門士の皆さまに、より豊かな学びと成長の場をお届けしていきたい。
その思いから、この度私たちは終末期ケア上級専門士の方々にコンタクトをとり、ヒアリング調査を実施いたしました。
ヒアリング調査では、資格を取得したきっかけから、受験後の変化、専門士としての日々の活動状況についてお聞きしています。
今回は、そのときの様子の一部をお伝えしていきたいと思います。
ヒアリングにご協力いただいたお二人
終末期ケア上級専門士として現場で活躍されている、介護福祉士の磯間さまと看護師の立花さまのお二方にお話を伺いました。

有料ホスピスホーム 介護福祉士
磯間 明子さま

一宮市立市民病院
看護師
立花 有希さま
医療者としての歩み、終末期ケア専門士を知ったきっかけ
-本日はよろしくお願いいたします。はじめにお二人のご経歴について教えてください
磯間:
介護福祉士として働いて11年目になります。現在はホスピスで勤務し始めて2年が経ちました。
立花:
がん拠点病院である愛知県の一宮市市民病院の緩和ケア病棟で看護師として勤務しています。経験年数としては14年ほどになります。
–終末期ケア専門士をどこで知りましたか
磯間:
有料老人ホームで勤務していたときに、利用者さんが亡くなるという経験をしました。
「自分には何ができるだろう?」と、自分の果たすべき役割は何なのか、不安に思っていました。
終末期ケア専門士を知ったのはちょうどコロナ禍の時期で、外部との接触が困難な状況でした。 情報やコミュニティから遮断されてしまっているなかで、「何かを得たい」という気持ちで調べていくうちに『終末期ケア専門士』に行き着いたという形です。
立花:
当たり前のことではありますが、誰しも最期を迎えることになります。
私は、誰もが治療を受けられて、安心して最期のときまでこの地域で暮らせるように支えたい、という思いが根本にありました。 当院で亡くなられる方は6割ほどいらっしゃるので、最期の場所として終末期ケアを充実させたいなという気持ちがあり、資格を取得しました。
–終末期ケア(上級)専門士をとって良かったと思うことは何ですか
磯間:
資格を取得して、オンラインという場で自分の思いを共有できたというところがありがたかったですね。
誰かと話すことすら遮断されている状況でしたから、終末期ケア専門士の皆さんと話せるだけで嬉しかったです。
ただ、現場が忙しく、せっかく学んだことをスタッフ間で共有できる時間がないことが課題ですね。
自施設でも終末期ケアの情報共有ができると期待していましたが、定期的にセミナーをすでに実施しているので介入はしづらいです。 自分のなかだけにとどまってしまっているところが惜しいポイントです。
立花:
自分は終末期ケア専門士の資格を持っていますよと職場で明記できるのは、1つのキャリアアップとして、メリットがあると思います。
認定看護師さんや専門看護師さんのように、自分の名札に書けるわけではないですけどね。
終末期ケア専門士や上級専門士を取得すると、バッジがもらえる※のですが、私はそれを名札につけて働いています。
すると、患者さんから「これは何?」と声をかけていただくこともあります。 「終末期について専門的なケアができるスタッフです」とお伝えすることで、利用者さんやその家族に安心感を与えることができていると実感しています。

セミナーについて
–終末期ケア協会では定期的にセミナーを開催しています。セミナーへの参加状況について教えてください
磯間:
私は全部参加しています。
初めのころは、「(セミナーのポイント)全部を吸収しなきゃ」とかなり構えていましたね。事前資料もあるので、その一字一句自分のなかに全部取り込もう!といった風に気合が入りすぎちゃっていて……。
視聴を続けていくうちに、「1つのセミナーの中で、心に残ったキーワードが1つ見つかれば十分だ」と思うようになり、以前よりもセミナーをすごく楽しめるようになりました。
流し見しているだけでも、講師の先生の言ってくれた言葉が「すごく今の自分に響くなあ」っていうのが、必ず1つあるんですよね。 職場が違って、先生の現場と違って、職種が違っていても、自分の中で新しい発見ができることが、すごく身になっているなと毎回聞いていて思います。
だから、なるべく自分の中でも時間を作ってセミナーを視聴しようという思いは今でもずっとあります。
立花:
なかなか日程が合わず、リアルタイムで参加するというのが難しい場合も多いのですが、自分の困りごとに関連するものや興味があるものにはなるべく参加するようにしています。
参加できなければアーカイブのほうで内容を確認します。
リアルタイムで参加できるときは、参考資料をダウンロードすることができるので、あとで見返すのに活用しています。
正確なことを覚えていなかったときは資料を見返して、そこから、ほかのスタッフにはこう説明してみようかなと考えられるので便利ですね。
資料をいただけるのは本当にありがたいです。
資格取得を目指す方に向けて
–最後にこれから終末期ケア専門士/終末期ケア上級専門士を目指す方へ、メッセージをお願いします!
磯間:
自分が学ぶ機会をまず得られたこと、そして今はそれを生かすっていうことに、自分の視点がシフトチェンジできているかなというふうに思います。今その真っただ中です。
終末期ケアは、本当にもういずれは自分もそうなっていくっていうところですよね、これは本当にみんな同じであると思います。
多くの人とつながれる場所なので、ぜひ皆さん入ってきてほしいなって思いますね。 仲間を増やしたいですね、ありがとうございます。
立花:
これから多死社会にどんどんなっていくと思うので、その終末ケア自体が質を求められるとか、格差も生まれてくると思います。
1人でも多く専門性がある、ケアができる人が増えるといいなあっていうふうに思います。
あと、ケアの提供のために、ぜひ資格を取って、学びを高めていっていただきたいのと、スペシャリストとして、自分っていうリソースに価値があるんだということも、自信につながると思うので、そういう自分の価値を高めるためにも、資格の取得をしていただきたいなというふうに思います。 ありがとうございます。
–お二人ともありがとうございました。
ヒアリングを終えて
終末期ケアへの強い使命感と、学びを現場に還元しようとするお二人の姿勢がとても印象的でした。
資格取得が安心感や専門性の可視化につながり、地域や職場での信頼を支える力になっていることが伝わりました。
終末期ケア協会として、より一層、交流や学びの場をより活かしやすくする仕組みづくりを進めていきたいと思います。 ヒアリングにご協力いただいた、磯間さま・立花さま、誠にありがとうございました。
【終末期ケア専門士】について

終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。