終末期のおむつの選び方と正しい装着方法【学びLabo】|一般社団法人日本終末期ケア協会

終末期のおむつの選び方と正しい装着方法【学びLabo】

2025.10.3 イベント

目次

2025年6月6日、学びLabo「明日から実践できる!終末期におけるおむつケアについて」 を開催しました。

講師

社会福祉法人 名古屋市総合リハビリテーション事業団
看護師
日髙 明子 先生

その人に応じたおむつの選択や装着方法について悩んだことはありませんか。

正しいおむつの選択や装着ができることでその方のQOL向上につながります。
今回はおむつ選びの専門家を育成している日髙明子先生をお迎えして、おむつに対する正しい情報を教えていただきました。

おむつの正しい選び方

排せつ障害は身体面や心理面、社会面において大きなストレスをもたらしQOLの大きな低下に繋がります。
終末期における排せつトラブルは多岐にわたり、排せつパターンや皮膚状態の観察などとともに、おむつの選択も重要になってきます。

おむつの選択ポイントは大きく分けて3つあり、「サイズ」「尿量・吸収量」「正しく装着できているか」です。

・サイズはメーカーごとに異なり、パンツタイプはウエスト、テープタイプはヒップサイズで選べるようにパッケージに表記されています。サイズを選ぶ際は参考にしてみてください。

・尿量と吸収量も1回の尿量を〇mLとして〇回分などがパッケージに表記されています。おむつの吸収量がその人に合っているか知るためにも、排尿量を知ることが必要です。排尿日誌をつけることで排尿量を知り、その人に合った吸収量のおむつを選ぶことで漏れの防止に繋がります。

・おむつを正しく装着するためには、立体ギャザーを立てることが重要で、パッドを使用する際には、おむつの立体ギャザーの中に収まるサイズのものを選ぶことで漏れを軽減できます。また、パッドの重ね付けは漏れの原因となります。 終末期になると、痩せや拘縮などにより体型の変化がみられることがほとんどです。変化に応じてサイズの変更やテープの止め方などを検討し、正しく装着していくことが大切です。

おむつ内のスキントラブル

おむつを使用することで起こる皮膚トラブルの原因に、排泄物の接触やムレのほか、摩擦やズレがあげられます。

洗浄やふき取りを行う際、きれいにしようと思うあまりやりすぎてしまい皮膚トラブルにつながってしまうことがあります。洗浄回数やふき取り方の検討が大切になってきます。

・皮膚が浸軟し、肌が荒れている状態の人は、少しの摩擦やズレでさらに皮膚トラブルが悪化してしまうため、おむつの選び方がやはり重要になってくると言えます。

・近年、褥瘡は骨突出部位だけではなく、おむつ装着時におむつを引っ張ってしまうことで生じる摩擦やズレによっても発生すると言われています。摩擦やズレを最小限に抑え、正しい装着をしていくことが皮膚トラブルの軽減につながります。

講義を振り返って

今回はおむつの正しい選択をするための知識を中心に、正しい取り扱い方やあて方の工夫、おむつ使用時の皮膚トラブルについて教えていただきました。視聴者からも多くの質問が寄せられ、普段のケアで抱えている疑問を解決し、活気あふれるセミナーとなりました。

受講生の皆さまの感想

Aさん

とても勉強になりました。排泄ケアをする上でその人の尊厳を守り、不快感を減らせるように日々学びたいと思いました。また、是非相談させていただきたいと思います。ありがとうございました。

Bさん

オムツの中の尿取りパットは必ずセットで考えていましたが、今日この講義を聞いて、必ずセットであてていたのは完全に思い込みだったなぁと目から鱗でした!また当てかたの工夫も考えていきます。スキンケアについても考えさせられたお話でした。ありがとうございました。

Cさん

もっと沢山聞きたかったです。
オムツの良い位置が定まらず、つい引っ張ってしまいがちです。改めて褥瘡を予防する観点からも、オムツの当て方、また選び方を考えて行きたいと思いました。ありがとうございました。

第6回
終末期ケア専門士認定試験

受験申込期間

2025年3月28日~9月20日

試験実施日

2025年10月10日~31日

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【終末期ケア専門士】について

「終末期ケア」はもっと自由になれる|日本終末期ケア協会

終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。

これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。

時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。

 

「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。

エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。

終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。