小児緩和ケアについてセミナーを開催しました!
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2023年9月28日学びLaboブログ
小児緩和ケアを理解する~見えにくいニーズに向き合う支援~を開催しました!
講師は、緩和ケア認定看護師の藤澤佑太さんです。
終末期ケア専門士のなかでも小児緩和ケアの経験がある方は非常に少ないと思います。
経験がないけれど、終末期ケア専門士として小児緩和ケアの現状を知りたいという声が以前よりありました。
そこで、日本終末期ケア協会アドバイザー・慢性疾患看護専門看護師の三橋啓太さんに今回の小児緩和ケアのセミナーを企画していただきました。
講義の内容はこちら
▶前半講義では、
・すべての病気の子どもたちが緩和ケアの対象となりうる
・子どもにとって「遊び」を通した支援の必要性を感じた事例の共有
・地域で看取りを行った事例を通した、地域医療における小児緩和ケアの課題
・子どもにとっての「痛み」の意味とアセスメントのポイント
・発達段階に応じて理解を促すプレパレーション
・痛みを伴う処置から気をそらすために行われる遊びへの支援
・医学的に痛みがない状況での「痛み」とは何か
についてお話いただきました。
▶後半講義では、
・子どもの価値観を尊重し、子どもの意思を推察して行う代理意思決定
・困ったら「なぜそう思うのか」をきいてみる。勝手に医療者が思い込まず、理由に耳を傾ける。聞いてみると、「ああ、それなら気持ちがわかるなあ」をみつけていけるかもしれない。そこからケアを組み立てればいい。
・日常の小さなケアであっても家族や本人と話し合って過ごし方や行動を決めておく。患者の生活を支えることそれ自体が意思決定支援
についてお話いただきました。
講師との対話で出てきたキーワード
・子ども本人だけではなく、子どもを取り巻く関係や環境にアプローチしていくことが支援になる。その影響が特に子どもの場合は大きい。
・子どもへの支援も社会的に充実させていきたい
・子どもへの支援はまだ不十分な部分がある。子どもの支援に資源が分配できる社会になることを願う。
・子どもだからこそ気持ちを伝えられない部分も、子どもだからこそ疑問や感情をストレートに伝える部分もある。だからこそ、医療者はごまかすことなく向き合う姿勢が必要。
・兄弟児も苦しんでいる場合もあるが、病院にいる医療者からは見えにくい。兄弟児への支援の体制があることを親に感じてもらうことも大切。
・子ども本人だけではなく、子どもを取り巻く関係や環境にアプローチしていくことが支援になる。その影響が特に子どもの場合は大きい。
・子どもへの支援も社会的に充実させていきたい
・子どもへの支援はまだ不十分な部分がある。子どもの支援に資源が分配できる社会になることを願う。
・子どもだからこそ気持ちを伝えられない部分も、子どもだからこそ疑問や感情をストレートに伝える部分もある。だからこそ、医療者はごまかすことなく向き合う姿勢が必要。
・兄弟児も苦しんでいる場合もあるが、病院にいる医療者からは見えにくい。兄弟児への支援の体制があることを親に感じてもらうことも大切。
子どもが居心地いい空間を作り、自分を好きになってもらうことも大切な看護だと語る藤澤さん。
支援者である自分自身のことを知ってもらい、受け入れてもらうための歩み寄りは忘れないでいたいですね。
おわりに
受講生からのアンケートでは、
・プレパレーション、ディストラクション、ザイアンス効果など、なかなか大人のケアの時には使わない用語がでてきて勉強になりました。
・家族の意思決定に医療者も責任を持つという言葉がとても印象に残り、心に響きました。
・とても難しい分野だと思いますが、子どもさん、ご家族との信頼関係の築き方など、大変参考になりました。親御様の言葉やご要望に振り回されがちになってしまうので、その言葉の意味、本質を知ろうとすること、コミュニケーションを繰り返し行うこと、そしてチームで共有することは本当に大切だと感じました。
といった感想をいただきました。
日本終末期ケア協会では、講義形式はもちろんのこと参加した人が自分の思いや悩みを話すことで明日へのヒントを得られるようなイベントを開催しています。
今後もさまざまな角度や方法から学びの体験を作っていきたいと思います。
終末期ケア専門士の皆さまのご参加をお待ちしております。
【終末期ケア専門士】について
終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。