TODAY‘sレビュー~『親が病気の子供たちの思い』を届けたい~を開催しました!
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2023年5月10日
3回目を迎えるTODAY‘sレビュー!
~『親が病気の子供たちの思い』を届けたい~を開催しました!
講師
聖マリア病院
ホスピス科診療部長
緩和医療専門医
大谷 弘行先生
九州がんセンター
臨床心理士
NPO法人Hope Tree
白石 恵子先生
本日は、NPO法人HopeTreeフォーラム2020「子どもたちの声を届けたい」講演記録から2つの物語を読んでいきます。
終末期ケア専門士の皆さんから、「AYA世代の支援を知りたい」「子どもへの介入に悩んでいる」という声が届いていました。
体験者が多くはない「がんと診断された親とその子供たち」への支援について今日は考えていきたいと思います。
なんと講師のお二人は、20年来のお付き合い。
そんなお二人だからこその対話に耳を傾けていきましょう。
朗読と対話
TODAY‘sレビューは、大谷先生の朗読と、大谷先生と白石先生との対話で進行していきます。
その対話の中で得られたキーポイントをご紹介します!
・お母さんが痩せても、家のことができなくなっても、どんな姿になっても子供にとっては大切なお母さん。
・多くの子供たちは「普通」にみえる。でも感情を色々感じていて、子供たちなりに考えていることが多い。
・子供たちの言葉を医療者が解釈せず、ありのままの言葉を受け止める。専門職は、自分たちの解釈に変えたり、支援しなきゃとおもってしまいがち。
・子供たちは、落ち込んでいても困難に出会っても、もとに戻ろうとするバネやしなやかさがある。
・子どもたちには「よく来たね」「なにもってるの」など些細な会話を通して子供の世界にやんわり入る。子供の領域をおかさない。追い越さない。
・子供は、子供の考えや生活があり、出てくる言葉も正直な気持ちのままで過ごしている。
おわりに
受講後のアンケートでは、
・子どもは思うほど弱くない。きちんと話をする事で疾患を抱えた親に寄り添う気持ちが深まり共に向き合って行けるという内容の言葉がとても印象深かったです。
・親の立場での思い、子どもの立場での思いをまずは知ること、否定しない、時間をかけてとことん聴いてから一緒に考えたり、それぞれの思いを伝えることが大事だと学ばせて頂きました。
・病気の進行には個人差もあり、一概には言えませんが、何らかのサポートがあれば家族はその現状を受け止めて乗り超えられる力を持っていると信じたいです。
といった感想をいただきました。
日本終末期ケア協会では、講義形式はもちろんのこと参加した人が自分の思いや悩みを話すことで明日へのヒントを得られるようなイベントを開催しています。
今後もさまざまな角度や方法から学びの体験を作っていきたいと思います。
終末期ケア専門士の皆様のご参加をお待ちしております。
【終末期ケア専門士】について
終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。