終末期の食支援についてセミナーを開催しました!
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2023年4月28日
その「むせ」良いむせ?悪いむせ?
リハビリ×介護×看護で「むせ」を考える
と題して学びLaboを開催しました!
司会進行は、日本終末期ケア協会コアメンバーで、がん看護専門看護師の宮武佳菜枝先生。
講師は、廿日市記念病院、言語聴覚士、公認心理師、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の藤原隆博先生です。
共同登壇者として、終末期ケア上級専門士の磯間明子さんにもご参加いただきました。
【講師】
廿日市記念病院
言語聴覚士
公認心理師
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
藤原 隆博先生
【企画・進行】
日本終末期ケア協会コアメンバー
がん看護専門看護師
宮武 佳菜枝先生
【共同登壇者】
終末期ケア上級専門士 磯間 明子さん
【セミナーのテーマ】は、以下の通りです。
1.むせって何
2.むせたらどうする
3.終末期の方がむせやすいのはなぜ?
むせは食支援の味方にもなる!
講義では、嚥下機能の観察ポイントを、食前・食事中・食後に分けて解説。
一口にむせといっても、食事のどのタイミングか、食事を開始してからいつごろにでるか、どんなものでむせるか、強さはどうか、などを正確にアセスメントすることで、『いいむせ』と『悪いむせ』に分けられるということを知りました!
ついつい、『むせ』を悪者扱いしてしまう私たち。
正しくアセスメントをする力を持つことで、むせを「食支援」の味方にすることができる!という視点をもつことができました。
明日からは、「むせた!」「いいむせだとうれしいな!」と思って、「むせ=食事を奪う」という思考から解放されそうです!!
ドキドキの完全側臥位
また、講義中には、何をしても誤嚥してしまう患者には、完全側臥位が有効であるとお話がありました。
ベッドを完全にフラットにして、左右の肩のラインがまっすぐになるようにポジショニングをとる姿勢で食事をとります。
誤嚥の人は寝かしてはいけないという知識で育った医療者はちょっと、どきどき…
「食べるチャンスを与えるのも、奪うのも医療者」
「食べるチャンスを与えるのも、奪うのも医療者」
これは講師の藤原先生からのメッセージです。
これを胸に、日々、ケアに向き合っておられるとのことでした。
むせ=危険!!と考えて、食べる楽しみを安易に奪わないように、「正しく評価し、チャンスを見過ごさない」そんな支援者でありたいと思った夜でした。
おわりに
受講後のアンケートでは、
・最期まで食べる楽しみをもつためには、他職種と連携しながら状態に応じた食事体位の検討が大切だと学べました。
・みんながいいむせ、悪いむせを理解できること、STさん任せにせずポイントを抑えた観察を行い情報を共有できるようにしていきたいと思います。
・むせについての内容が深く、理解できることによって、食べたい欲求・要望に最後まで丁寧に対応できることを知れて良かったです。食べることが終末期ケアでとても重要だということを改めて感じ、自分のできることを見直す機会となりました。
といった感想をいただきました。
日本終末期ケア協会では、講義形式はもちろんのこと参加した人が自分の思いや悩みを話すことで明日へのヒントを得られるようなイベントを開催しています。
今後もさまざまな角度や方法から学びの体験を作っていきたいと思います。
終末期ケア専門士の皆様のご参加をお待ちしております。
【終末期ケア専門士】について
終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。
これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。
時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。
「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。
エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。
終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。