認知症ケアについてセミナーを開催しました!|一般社団法人日本終末期ケア協会

認知症ケアについてセミナーを開催しました!

2023.2.16 イベント

目次

久しぶりの学びLaboです。

認知症のタイプで変わる?!
BPSDと引き算ケア
~被害妄想・帰宅願望~

を開催しました。

講師は、日本終末期ケア協会アドバイザーで
認知症ケア担当の市村幸美先生です。

市村先生には、認知症の人の言動を
脳と絡めて理解するシリーズや
せん妄・BPSDとの違いについて
これまで講義をしていただきました。

今回は、被害妄想・帰宅願望について
お話ししていただきました。

認知症ケアについての講義

前半の講義では、前回のセミナーのまとめとして
認知症の症状・認知機能障害と
BPSDの関係性・認知症のタイプと
それぞれの特徴について復習しました。

後半の講義では、被害妄想と帰宅願望について
お話しいただきました。

  • 被害妄想は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症に多くみられる
  • 被害妄想は、人に関心があるタイプの認知症だからこそ起こる
  • 帰宅願望は、軽度の認知症にもみられる
  • 帰宅願望は、記憶障害・見当識障害をベースに起こる
  • 帰りたい気持ちはそのままでいい

終末期ケア専門士との対話

終末期ケア専門士の皆様のコメントから
市村先生と対話を深めます。

  • アルツハイマー型認知症の被害妄想は修正困難なこともある。その場合は、距離をとる。つらいときは逃げてもいいという考え方がスタッフ間で共有できるとよい。
  • 幻視が見えていても、被害妄想や帰宅願望があっても、完全になくすことよりも、生活ができることを目指す。
  • 帰宅願望は必ずしもどこかに帰りたいと思っているとは限らない。「ここにいる意味」が自分たちのケアでわかりにくくなっている。
  • 出来ていないことに目を向けがちだけど、出来ていることもある。ホームランを打とうとするより、小さなことでも出来ていることに気づいていかないと認知症ケアは苦しくなっちゃう。介護者自身も楽になれるケアが、認知症ケアを続けるための引き算ケアにもなる。

参加された皆様からのメッセージ!

  • 自分と関わっている時だけ帰宅願望が和らぎ、離れたらまた現れてしまったことに対して、一時的にでも忘れられたのなら良いじゃない、という考えになんだか救われました。
  • つい“認知症の人”だからと接してしまいがちですが、それ以前に人と人との付き合いという事を忘れてはいけないと改めて思いました。
  • 市村先生が、皆さんのチャットに「みんな頑張ってる」「それは仕方のないこと」とアドバイスをしてくださったことで気持ちが楽になったり、目から鱗が何枚か剥がれたのは私だけでは無いと確信しています。またの機会があれば、ぜひ参加したいです。ありがとうございました。

日本終末期ケア協会では、
講義形式はもちろんのこと
参加した人が自分の思いや悩みを話すことで
明日へのヒントを得られるような
イベントを開催しています。

今後もさまざまな角度や方法から
学びの体験を作っていきたいと思います。

終末期ケア専門士の皆様のご参加を
お待ちしております。

 

【終末期ケア専門士】について

「終末期ケア」はもっと自由になれる|日本終末期ケア協会

終末期ケアを継続して学ぶ場は決して多くありません。

これからは医療・介護・多分野で『最後まで生きる』を支援する取り組みが必要です。

時代によって変化していく終末期ケア。その中で、変わるものと変わらないもの。終末期ケアにこそ、継続した学びが不可欠です。

 

「終末期ケア専門士」は臨床ケアにおけるスペシャリストです。

エビデンスに基づいた終末期ケアを学び、全人的ケアの担い手として、臨床での活躍が期待される専門士を目指します。

終末期ケア、緩和ケアのスキルアップを考えている方は、ぜひ受験をご検討ください。