緩和ケアに携わる看護師の役割~心のケア~

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緩和ケアに携わる看護師の役割~心のケア~

緩和ケアに携わる看護師の役割~心のケア~

JTCAゼミ

ある日突然がんと診断されて自分の病気をすぐに受け入れることができる人はあまりいないと思います。
「まさか私が…」と信じられない気持ちや悲しみ、絶望感を感じ、これから先どうなるのかなど人それぞれ不安や思いは違いますが、様々な身体的・精神的なストレスがかかってきます。
そのため、病気による痛みや苦しみを軽減させる治療や身体的ケアと同時に心のケアも重要になってきます。

心のケアはなぜ必要なのか

がん患者は、精神的に不安定になり適応障害やうつ病、せん妄などの精神疾患を発症することがあります。
病院によって違いはありますが、緩和ケアを行う上で精神科医や臨床心理士、リエゾン精神看護師など心のケアのスペシャリストがチームの一員として活動しています。
精神状態が不安定なまま治療や身体的なケアを行うことは難しく、患者の負担も大きくなります。
治療や身体的なケアと並行して心のケアを行うことが患者の身体的・精神的負担の軽減につながるのです。

患者だけでなく患者にかかわる人の精神的サポートも

個人差や順番が前後することもありますが、死期を控えた人の一般的な感情の変化として精神科医キューブラー・ロスは①否認と孤立、②怒り、③取り引き、④抑うつ、⑤受容の5段階を唱えています。
死を覚悟することはつらいことであり、様々な感情の浮き沈みが伴います。患者は医師や医療従事者と関わることで疾患に対する理解を得ることができ、それが精神的サポートにもつながっていきます。
また、普段から患者と関わりのある家族や友人、介護者の存在は患者にとって身体的・精神的にも大きな支えになっていきます。しかし、患者の一番身近にいる家族は「第二の患者」とも言われ、身体的・精神的な負担が大きくなってしまうこともあります。
医療者は患者との関わりに比べて家族と関わる機会も少なく、心のケアを十分に行えているとは言えないのが現状です。
医療者は、患者だけでなく、患者にかかわる人の精神的サポートを行っていくことも大切なのです。

「今一番つらいことはなんですか?」

看護師は、患者とのコミュニケーションの中で「今一番つらいことはなんですか?」と聞くことがあります。「疾患による症状がつらい」といわれる方もいらっしゃいますが、他にも「これから先どうなるか不安で眠れない」、「家族や周りのことが心配」、など人それぞれ思いは違います。
医療者は患者とコミュニケーションの中で様々な情報の伝達や提案をすることはできますが、決して医療者の価値観を押し付けることなく、患者の価値観や生き方を尊重した支援をしていくことが大切です。
患者とのコミュニケーションの中で「今何が一番つらいのか」、「何をしてほしいのか」など患者の思いや希望を知り、患者の価値観に沿ったケアをしていくことが最善の治療やケアにつながるのです。