がん悪液質について知ろう

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がん悪液質について知ろう

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悪液質とは

悪液質とは、何らかの基礎疾患によってもたらされる複合的な代謝異常症候群で、脂肪喪失の有無にかかわらず、骨格筋量の減少が特徴である。悪液質は悪性腫瘍だけでなく、心不全、慢性肺疾患、腎不全など、多くの基礎疾患に合併して見られる病態である。主な臨床的特徴として体重減少があり、食欲不振、炎症、インスリン抵抗性、筋タンパクの異化亢進などが付随して起こる。体重減少・食欲不振はがん悪液質に特徴的な症候であり、これは炎症性サイトカインが大きく関与していると考えられている。また、代謝障害がすすむと悪液質のステージが「前悪液質」、「悪液質」、「不応性悪液質」と進行する。一般的に「前悪液質」~「悪液質」の段階では可逆的とされているが、「不応性悪液質」の段階になると栄養補給を行っても有効に同化することができず,栄養不良は不可逆的な状態になる。そのため、悪液質のステージを評価し,適切な栄養管理を行うことが重要である。


がん悪液質への関わり

悪液質の病態については未だに明らかでなく、標準治療は存在しない。しかし、進行した段階の悪液質の治療は困難であるため、早期診断と早期介入が必要と考えられている。また、がん悪液質の病態には、多臓器・多要因がかかわるため、栄養療法だけではなく、運動療法・薬物療法・心理社会的介入を含め、患者の状態に合わせた集学的な治療とケアが早期から重要となる。「悪液質に対するガイドライン(EPCRCガイドライン)」では、「前悪液質」「悪液質」は薬剤、運動、栄養、心理療法など早期介入、「不応性悪液質」は緩和的治療が主体と提唱している。
がん患者は、様々な要因により活動性が低下しており、運動不足による骨格筋萎縮を生じやすい。骨格筋萎縮により筋肉量が減少することで、全身倦怠感を生じやすく、さらに活動性が低下するという悪循環をもたらす。「前悪液質」の段階から集学的介入により一定の筋肉量を維持すれば、「不応性悪液質」へと移行していくことを抑制できると推測できる。そうすることで、予後半年で動けない食べられない状態ではなく、予後1か月まで食べて動くことができる状態となる可能性がある。この期間の違いは、患者と家族のQOLに大きな影響を与える。
また、がん悪液質のステージにより異なるが、栄養療法も重要な関わりである。早期がんの患者の場合は消化管の通過障害などが見られなければ、経口摂取や経腸栄養など患者の病状に合わせて行う。がん終末期の患者の場合は点滴による輸液療法が主な治療法となる。(栄養療法を行う際、がんの種類や病期により悪液質の安静時の代謝エネルギー消費量は大きく異なるため、多職種による観察と個別の栄養処方を行う必要がある。)
栄養療法を行う上で、代謝異常が軽い「前悪液質」の栄養量に比べ、代謝異常が高度の「不応性悪液質」の場合、積極的な栄養療法を行っても栄養改善や機能改善は期待されず、逆に代謝上の負担が大きくなり生体に有害になる可能性がある。そのため、「不応性悪液質」の場合は栄養投与量を減量し、場合によっては緩和医療や精神的サポートなどが必要になる。



要約

終末期ケアにおいて「悪液質」「がん悪液質」という言葉が聞かれる。病態については未だ明らかでないが、現状示されていることについて知り、何ができるのか考えたい。